様です

□トリップした様です
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「レンちゃんもアソカ姉も何処行っちゃったの…!?」



もう一週間も私の姉、アソカと私の妹、レンが帰ってきていない。
もう警察に捜索願いは出した。

…寂しくて、不安で仕方ない。

今日ももう終わる。私は寝る事にした。






「…ん…。」


「おう、起きたか。」


「ん〜…?」



目の前には金髪。
フワフワのファーも見える。
…一体、誰?



「まだ寝ぼけてんのか?」


「ん…?」



この声、何処かで聞いた事がある様な気がする…。



「…。」


「ああ?」


「………!?」




一気に、覚醒した気がする。
コレは多分夢だ。
夢に違いない。



「何呆けてんだ?」


「だだだ誰!?」



嘘ですよね?
男の人の膝の上に居るとか冗談ですよね?



周りを見渡すと、明らかに私の家ではなかった。

それにしても何故私は彼の膝で寝ているのだろう。



「いきなりタメ口なんて中々肝の座った女だな。」


「いいえ!すみませんでした!」




まさか私…


トリップ、した?




「あの…此処、は?」


「ああ?妖精の尻尾に決まってんだろ。」



何処だ。



「んで、お前名前は何だ?」


「え、あ…。サラ、です。」


「サラ、な。覚えとくぜ。」




俺はラクサスだ、とラクサスさんは笑う。




「オイ、テメーら!新しいギルドメンバーだ!」


「ハイ!?」



バッと皆が振り返る。
あの…私、ギルドメンバーじゃないんですけど…。



「お姉ちゃん!?」



聞き慣れた声がした。
ああ、レンちゃんだ…。



「ってレンちゃん!?」



レンちゃんが二階に上がって来る。



「何でラクサスと?」


「そりゃ私が知りたいよ。私だって昨日は普通に寝ただけだし…。」


「俺の膝に瞬間移動して来たぜ。お前、魔導師だろ?」


「…違いますけど。」


「ハァ!?」



嘘だろ!?と私をラクサスさんが肩を掴み見つめる。



「ああ、サラ。」



ふよふよと飛んで来た羽の生えた…ネコ。



「あ、コレアソカ姉だから。」


「何ですと!?」



更にふよふよとアソカ姉に似た青いネコがアソカ姉の隣にやって来て、アソカ姉を何処かへ連れて行ってしまった。




「へぇ、レンのもう1人のお姉さん、か。」



ギュッとレンちゃんを後ろからいつの間にか赤毛にサングラスにスーツの男が抱き締めていた。
ちょっ、それ私の妹!
私の可愛い妹ぉぉ!



「ロキ。」



レンちゃんが頬を赤らめている。
彼氏か?彼氏なのか?
私にもまだできた事のない彼氏かぁぁぁぁ!?



「僕はロキ。レンは僕の嫁だよ。ヨロシク、サラさん。」


「もうロキ。まだ違うって…。」



まだっていずれそうなるつもりなんですね?
そうなんですね!?



「皆ー!コレ、私のお姉ちゃんだよー!」



レンの?
レンの妹?
いや、姉だってさ。


ワイワイと声が聞こえる。



「レンのお姉さんか。きっと筋は良い筈だ。」



長い赤毛の女の子もやって来た。




「私はエルザ・スカーレットだ。宜しく。」



スッと差し出された手を握り、握手を交わす。



「私は…」
「ラクサス!新しいギルドメンバーとは本当か!?」


「ああ、サラだ。レンの姉らしい。」




名乗らせてくれ…。





続く。



―――

第1話。
ラクサス夢では無いと言い張る。
因みにコレは私の夢が元になって出来ています。




11.03.30
 

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