短編小説

□正月記念小説Part2
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 ちょっとばかり期待の眼差しで見つめている女性陣に良いとこを見せたい野郎共は窮地に立たされていた。金の無いアホ達のおかげど正に崖っぷちなのである。



流「ハッハッハ、崖っぷちのポ○ョだな」

海吏「お前は少し黙ってろ!ヤ」

タキ「殺らないか?」

トキ「OK、ボス」



 ユウキ、オキ、タキ、トキ、士郎、海吏はそれぞれ武器を持ち、流をフルボッコ。義之達は死に体となった流を通路の脇に運び込んだ。

 話を戻すが窮地に立たされている野郎に一筋の救いの手が差し出された。



サキ「そうだわ、つい忘れてたけどお年玉を渡していなかったわね」

「「「「!!!」」」」



 現在の野郎共にはサキが救いの女神に見えた。目の錯覚か、後光が射しているようにも見える。



サキ「はい、シキ、ツキジ、綾歌ちゃん、カグヤさん、ルミナスちゃん」

「「「わーい!」」」

「「ありがとうございます」」

サキ「それから皆さんも」

「「「え゙!?」」」



 とんでもない事に家族だけでなく、未成年組全員にお年玉を配るサキさん。さすがはその身一つでユウキ達を養っている現役料理人。命神家の家もそれなりの大きさを誇っている。それの家賃を払い続けている、という事はかなりの蓄えが有るのだろう。

 しかし、いくら友人の母親だからといって素直に貰えたものではないがサキがちょっと握り拳を作ると直ぐに素直になりお年玉袋を受け取るのだった。



サキ「はい、ユウキ。それとオキ君達も」

ユウキ「ありがとう母さん……」

「「「「ありがとうございますサキさん!貴女は神だ!」」」」



 サキを泣いて拝む野郎共。サキはそんか野郎共に優しくほほ笑み掛ける。



「「「「……それはさておき中身は…と」」」」



 こんな言葉を吐き出した屑共はご想像に任せるとして、お年玉袋の中身は彼らの想像を絶するものであった!

















ユウキ「………割引券100円分…………?」

「「「「……………」」」」



 絶望。

 彼らは絶望に打ちひしがれた。泣き叫ぶ者もいた。その場に倒れ込む者もいた。そして全員で叫ぶ。



「「「「割引券って何さ!!!!」」」」

サキ「あ、ごめんなさい。こっちが本当のお年玉よ」



 そう言って再度お年玉袋を出す。彼らの絶望は晴れやかに消えていった。



杉並「申し訳ない。命神の母君よ!」



 今まで行方をくらましていた杉並がサキの前に現れた。



「「「「テメェーーーー!!!!ヤ」」」」



 そしてまた一騒動あったのは言うまでもない。



 Part2、終了



 次回、『晩御飯』



 
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