真名部編(完結)

□7話 追究?追及?追求?
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楽しくなんか、なかった。
そう、真名部くんの顔に、書いてある。
ちょっと真名部くんの部屋にお邪魔して、落とし物が二カ所、シーツの上の分泌液の量と散らばり方。
僕は一つの仮説を口にする。
「真名部くん、村木さんに相当深く愛されてるね。大切にしてあげなよ。」
「えっ。君になにがわかるんですか?」
「この落とし物、村木さんのでしょ?」
通称ゴム。状態は未使用品。
図星だったようで、彼は言い返せない。
「もったいないなあ。可愛らしい上に頭もいいのに、こんな鈍感でやきもちやきなんて。僕が恋人だったら、」
真名部くんは僕のジャージを掴んできた。
「安心しなよ、村木さんは真名部くんから離れたくはない。でも、なにもかもをさらけ出せず、それで君を傷つけるように思えたら、身を引く。いや、あの様子なら、この世の人では無くなるさ。」
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