short story
□加速度とその延長線
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青く輝く太陽に手を伸ばすと水の抵抗に合った。
あぁ……そういや、溺れたンだと、アレンは鈍い笑みを浮かべた。
『最後まで歩き続けろ』まァ、ある意味最後、人生の終わりかもしれない……。
冷たい水がコポポ………と耳へ入って来る。
ツンと鼻の奥を酸に焼かれる様な鈍い痛み。
耳は膜を張り目はまるでドライアイの様だ。
ザバァ
「馬鹿!!何やってンだ!」
神田は冷たい湖からアレンを引き上げた。
力任せに上げられた腕は痛かった。
「すみま、せんね……ゲホッ…!」
アレン少しむせると神田に軽く睨み、水で滴る自分の髪の毛を上目使いで見遣った。
そして、溜息を付き神田の手から自分の手を乱暴に引きはがす。
どうやら、AKUMAは死滅したらしい、当たりは死臭(毒ガス)が漂っていた。
神田は嫌な顔をしながら顔をしかめる。
「早く此処から出ましょう。君がどんなに治りが早くても体力が持たない。きっとリンクも何処かに居るはずですから。」
「テメェは、大丈夫なのかよ……。」
「へ?何が。」
「体だよ!!大丈夫かって聞いてンだ!!」
「あー、耳元で仔犬みたいに騒がないで下さいよ、こんな寒い中、二人で凍え死にますか。」
神田は的もな返答をしない彼に溜息を付き頭をおもいっき殴る。
「い゛だ……!!」
何するんだと言う前に塞がれた冷える唇にちゅっと温かい神田の唇の熱が伝わった。
「さぁ、行くゼ…。」
別に二人は恋人同士でも無いただの『知り合い』だ。