short story

□†滑稽な戯れ事†
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 僕はリナリー姉さんの本を隣から盗み見をしたが、学校ではまだ習っていない単語がめじろうしで、読む気を無くす。

 まず、内容を一般的に生涯知る必要が無い気がした。
 表紙で、男の子達が抱き合っている。

 否、学校では一生習いそうも無いその本は僕にとって退屈窮まりないものだった。

 雛菊のくさりを作ったら楽しいかもしれないケド…女々しいとこないだ友達兼恋人に言われたし、まず摘むのも面倒くさい。

 あーあ、どうしてこんなに昼は暑いンだろう……。
 


 ふと、横を見ると、近くを緑色をした目の人……否、白い耳と尻尾が生えているのだから、人では無いだろうケド……。

 うわぁ……関わりたく無いと思い、僕は気付かない振りをしたけど、

『どうしよう、どうしよう、遅刻するさ!』

 と、上着のポケットから、銀の懐中時計を取り出した…高そうな……。

 僕はその懐中時計が欲しくなり、付いて行って見る事にした。


『えっ……;』

 ストーン……と、暗い、暗い穴に落ちていく、コスプレの人……。

 落ちたら、怪我だけでは済まないかもしれない……ダケド、此処で行かないと、男が廃[スタル]ると、穴に自らを投げだした。




†滑稽な戯れ事†




『何時まで、この状態なんだろう……。』

 穴に何時までも落ちつづけている。
 時計も持ち合わせて居ない為、今何時かは、分からないが恋人達が愛を囁いている時間はとっくに過ぎている気がする。
 途中、お腹が空いていけなかったが、ジャムを見付けて口にしただけだ。

 終が無いので、もう地球の裏側まで、落ちて来た気がして、焦り始めた瞬間、目の前がスパークして、気付いた時には、白で出来た、シンプルな部屋のソファーに横たわっていた。


『何処だ……此処。』

『此処ハ、アリスの秘密ノ部屋。』

 変なモノが鏡に映しだされたが、おかしな事にソレは当たり前に感じられた。

 まず、僕はアリスじゃないし……。

『僕は、ア・レ・ン。』

『知っテル……此処二来ルノハ皆アリス。』

 彼はそう言い、一台のピアノを指差した。

『弾けっ……て言うの?』

 コクりと頷かれるが、産まれてこの方一回もピアノを弾いた事が無いために、うなだれる。
 すると、ピアノの上にイチゴジャムを見付けた。

『Eat me』

 と、殴り書きで書かれているソレに恐る恐る手を伸ばしソレを口にした。

 すると、天才ピアニストになれる位、ピアノが弾ける様になった。

 ピアノを弾いているうちに気付いた……アレ?!体……縮んでね?!

 勿論ピアノは弾けるはずがなく、ぐんぐん小さくなる

 ふと、下を見ると小さな扉が口を開けていたので、僕はそこへ飛び込んだ。



 
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