short story

□繋がれた鎖
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 轟く爆音と、埃が舞い上がる…。
 煙を切りもの凄いスピードで裂く様に、漆黒の体が姿を現した。
風がうなりをあげる。

「待ちやがれェ、モヤシィ!!」

「待て、言われて待つ人なンて居ません!!」

 その『黒』が追い回す『白』は、体から帯の様なものを出し、又、早いスピードで、逃げ回る。
 建物は、ボロボロになり、止めに入るものなど、

「いい加減にしなさぁい!!!」

 可憐な少女しか居ないだろう……。




 談話室にて縄に二人揃って縛られて、ブスリとしていた。
リナリーは、仁王立ちをして、困った様に僕達二人を見据える。

「何時も何時も、喧嘩ばかりして、少しは仲良く出来ないの?!」

 毎回、言われている事なので、僕達は愚問だろ?という顔をしていた。
 反省の色はまるで無い……。

「………もう、良いわ。」

 リナリーはコムイさんの所に向かうと、帰って来た頃に手には何やら持っていた。

 彼女は、一つは僕の首に一つは神田の手首に、ソレを付けた。

「何ですか?チョーカー?」

 黒地に白のタータンチェックのチョーカーには、水晶の十字架が装飾として付いていた。
 神田のも同じ柄だ。

「うっわ……神田とお揃い……何ですか?コレ……。」

 神田は、イライラしてる早くこの場を去りたい様だ。
 僕と一緒に縛られていれば尚更だ。(失礼だよね……。

「後で、嫌って程分かるわよ……?」

 愛らしく笑顔を浮かべるリナリーは、何処と無く黒い。
 僕と神田の顔がヒクリと引き攣った。
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