short story
□繋がれた鎖
1ページ/6ページ
轟く爆音と、埃が舞い上がる…。
煙を切りもの凄いスピードで裂く様に、漆黒の体が姿を現した。
風がうなりをあげる。
「待ちやがれェ、モヤシィ!!」
「待て、言われて待つ人なンて居ません!!」
その『黒』が追い回す『白』は、体から帯の様なものを出し、又、早いスピードで、逃げ回る。
建物は、ボロボロになり、止めに入るものなど、
「いい加減にしなさぁい!!!」
可憐な少女しか居ないだろう……。
談話室にて縄に二人揃って縛られて、ブスリとしていた。
リナリーは、仁王立ちをして、困った様に僕達二人を見据える。
「何時も何時も、喧嘩ばかりして、少しは仲良く出来ないの?!」
毎回、言われている事なので、僕達は愚問だろ?という顔をしていた。
反省の色はまるで無い……。
「………もう、良いわ。」
リナリーはコムイさんの所に向かうと、帰って来た頃に手には何やら持っていた。
彼女は、一つは僕の首に一つは神田の手首に、ソレを付けた。
「何ですか?チョーカー?」
黒地に白のタータンチェックのチョーカーには、水晶の十字架が装飾として付いていた。
神田のも同じ柄だ。
「うっわ……神田とお揃い……何ですか?コレ……。」
神田は、イライラしてる早くこの場を去りたい様だ。
僕と一緒に縛られていれば尚更だ。(失礼だよね……。
「後で、嫌って程分かるわよ……?」
愛らしく笑顔を浮かべるリナリーは、何処と無く黒い。
僕と神田の顔がヒクリと引き攣った。