short story
□キミは一体ダレナノ?
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『お前ッ……全て忘れたのか?!』
全て?
何の事何です?
『テメェの、父親も、仲間も、俺も……忘れて……お前は、あのデブに仕えるのか?!』
父親?……仲間?……キミ?
忘れたって……何を?
『モヤシッ!!お前を……殺す!!』
モヤシ………??
「レン……アレ〜〜ン!!」
「わァっ!!」
びっくりして、目を見開くロードにすみませんと、誤る。
「アレン、元気が有りまセンネ?どうかしたんデスカ?」
「スミマセン。千年公……。ちょっと、考え事してました。」
ニッコリ、笑い食事を済ませると、そそくさと部屋に戻りベッドへ体を預けた……。
「一体、キミは誰なんですか……。」
心を乱す、エクソシストの黒髪の青年……知った様な口ぶりだった。
『こんにちは。エクソシストさん……?』
雨の、音が雑音を消していく。
僕の、両手の血は雨が洗い流してくれた・・。
青年は、ゆっくり振り返る…。
その目には、恐怖というより……驚きの色があった……。
『お前ッ……。』
『どうせなら、もっと怖がって下さいよォ……;ヤりがいが、無いなァ……。』
バシャバシャと、水音を立てて、近づいて来るなり、僕を抱き寄せ、抱きしめてきた。
『ちょっ……何するんです?!』
両手で、力一杯その男を突き飛ばすと、その青年は、僕の左腕の袖を捲り上げた。
『この腕っ・・・義手か?!』
『あれ?精巧に作られているのに、よく分かりましたね…?あァ……、生まれつき無いンですよ、左腕。』
『生まれつき……無い……だと?』
彼の低音が、耳に付く……知っている様な気がして……。
『キミ……何処かで……会った事有りますか?』
『覚えて、無いのか?』
『ええ……スミマセン。』