starry☆sky


□顔真っ赤にして否定されても
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お昼時


ぽかぽかとした太陽が気持ちいい


なのに…君はどうして悲しそうな顔をしているの?





「月子…?」


そっと呼びかけてみると君は我に返ったようにハッとこちらを向いた


「何?羊くん」


「ん、何かあったの?」


「え!?な…何もないよ?」





明・ら・か・に・怪・し・い




そう思った僕はずいっと君に顔を近づけた


その途端顔を真っ赤にする、君



「よ…羊くん!?ち、近いよ」


「月子何か隠してるでしょ」


「隠してないy「教えてくれるまでまで離れない」うぐ……」



君は少し悩むような仕草をしてから


思い切ったような表情で隣にあった鞄を開けた


それから四角い箱?を取り出す



「何?これ?」



「……お弁当」


「お弁当?」


そしてお弁当をそっと渡される


月子って料理苦手じゃなかったけ、なんてことを考えながらそれの蓋をあけると


そこには少し残念なお弁当の中身が広がっていた



少しこげた卵焼き


形の崩れたハンバーグ


その他諸々……





「これ、月子が作ったの?」


そう尋ねると君は顔を隠したままうなづいた


「うん…錫也に作り方教えてもらって…

 その、前に羊くんが私の作ったお弁当を食べてみたいって言ってた…から」




最後のほうの言葉は小さくなっていったけど


僕にはしっかりと聞こえた



行儀が悪いと思ったけど、今はそんなことは関係ない


少し焦げた卵焼きを一つ食べる


うん、美味しい




「月子 顔上げて」


「え?」





キョトンとした表情の君の顔と僕の顔がゆっくりと重なる



小さなリップ音が響いた瞬間



君の顔はこのお弁当に入っているトマトように真っ赤になって










「美味しかったでしょ?」


「お…美味しいわけないじゃない!!」








顔を真っ赤にして否定されても








(君の想っていることは分かる)

(美味しい、って思ってくれたよね?)





end


title by 確かに恋だった
 

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