霧の先にある希望の虹


□後悔と百日草
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「あっリアさん、深雪さん」
「菜々ちゃんの容態が急変したって」
リアが些か息を切らしているが、深雪はそんなに切らしていない。
「面会駄目だって」
「‥‥‥っ」
「クソッなんであんな小さな子がこんなことの犠牲になんだよ」
完二が壁を叩こうとしたのを深雪がその拳を止めた。
「勇希、ちょっと話があるからきなさい」
「え?」
「いいから、こい」
病院の為いつもより控えめにいった。
「深雪さん‥‥」
「すぐに終わるから」
深雪は勇希をつれて病院の屋上に向かった。
「話ってなんだろ?」
「深雪は、唯一未来を変えられる夢見だから‥‥大丈夫」
「だけど‥」
不安が募る。
「あれ、君たちまだここに?」
今の場に似付かわしくない声がした。
「君も来たんだね、えっと‥リア、くんだったけ?あれ?彼女は一緒じゃないの?」
「僕の国だったから、撃ち殺している」
厳しい切り捨てに足立は苦笑した。
「そういえば、勇希さんは?」
「トイレだ」
リアがぶっきらぼうに言った。多分ペルソナ関連についての話だろう。と考えたからだ。
「生田目の方は進展あったんスか?」
「あ、あぁそれなんだけど‥」
陽介が聞いたら、足立は言葉を濁らせた。
「‥‥‥」
「一応言っておくけど、この事件、立件は難しくなってきたんだ」
それは特捜隊も雪月花組も分かっていたが、実際言われると絶望的だ。
「随分と冷静だね、足立氏?」
「ぼ、僕は本当のことをいっただけだよ」
リアが鎌をかけるように言った。
「てめぇそれでもデカかあぁ!!?
そんなに見てぇなら見してやんよ。今すぐテレビ持ってこいオラ!」
ドスッ
戻ってきた深雪が完二の頭に回し蹴りを食らわせた。
「病院で騒ぐな喚くな走るな叫ぶな」
「深雪さん、本当に殺るときはやるな‥‥」
静かにキレる深雪を見て、陽介は思った。
普段は怒鳴り散らすが、人並みのマナーは守るようだ

ガラッと菜々子のいる病室の扉が開き看護婦が飛び出してきた。
「菜々子ちゃんのご家族は?
早く入って、声をかけてあけてください」
勇希が病室にはいっていった。
「菜々子ちゃん、大丈夫なのかな?」
「あっ深雪さんどこに?」
「ほしたちに電話してくる」
といい深雪は下に降りていった。入れ違いに堂島が来た。
「勇希は中か?菜々子
答えを聞く前に病室の扉をあけた。
病室から無機質な長い電子音が聞こえた。
「な‥‥な‥こ」



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