霧の先にある希望の虹


□孤独じゃないと教えて
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「どうしたんだ?」
「深雪さん、昨夜のマヨナカテレビみてないんですか
「昨夜はリアと世界の絶滅動物を救え大特集を見ていた」
深雪達にとってこっちの動物は珍しいため最初から最後まで見ていた。

「マヨナカテレビ見た後に録画したやつをな」
卯月は後から付け足した深雪の言葉で転んだ。

「深雪さん‥‥っ」
からかわれたと分かりなんとも言えない顔をした。
「現実逃避よ。あんなぶっ飛んだのみたら夢見が悪いじゃないか‥」
卯月は深雪の性格が掴めない。否、掴めと言うほうが空の雲を掴むよりも無理だろう。
「だがやはりやや矛盾してるな」
マヨナカテレビが鮮明に映る時は落とされた人間が望む事を映すと言うが、実際は脱線して暴走しているのだ。
「本当の自分は自分でも判らないのにな‥‥」
「え?」
「人間はだれもが固定されたキャラクターじゃない。意志、感情があるだから、人間は常に変わり続ける。仮面を被り弱い自分を守。その上にまた仮面を被る。だから、自分を変えるのは自分だけだ。自分の夢を未来を決める権利があるのは最終的にも自分だけ」
ビジョンブラッドの髪と反する青い瞳が怪しく光った。
「深雪さん」
「だから、自分が惚れた人間は自分で守りなさい。そしてそれを教えてやりなさい」
「っぅ////」
またこけた。盛大にだ。
「みみみみ、深雪さんななっ何でなっ白鐘のことを
「あら、私は直斗とは言ってないわよ
笑える反応ねと笑う深雪が悪魔の尻尾が見えたのは絶対に気のせいじゃない。

「うっ‥」
墓穴を掘ってしまい卯月は顔を赤くした。
「まぁガンバレ」
棒読みで心底楽しそうに言った。
ミステリアスであると思ったが、深雪は人をおちょくるのが好きだったのだ。
「さて、笑えるうちにやめるか」
「やらないでくださいっ//」




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