霧の先にある希望の虹


□孤独じゃないと教えて
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「んっ、夢?」
時計を見たらもう昼だ。
たぶん何回か深雪が起こしに来たらしい。綺麗に畳まれた洗濯物が置かれているし、ゴミ箱の袋も変わっている。
「クノ?」
いつも添い寝してるはずのカラカラのクノッヘがいない。
「クノ、‥‥‥あっ」
クノッヘはベッドの下でシュネーに包まれるように寝ていた。
「よかった‥‥」
安堵した。
居なくなってしまったのか、出ていってしまったのか。不安になった。
「着替えなきゃ」
深雪が最終手段で起こしに来る前に顔を見せないと一番嫌な事をしてくる。『アレ』だけは止めてほしい。『アレ』だけは『奴』に並んでこの世から単語すら消えてほしいくらい凄く嫌いなのだから。
さすがに後者はともかく、前者は撲滅しろとはいうない。
髪を梳かしたから結んで、お気に入りではないが、普段から被ってる帽子を被って部屋を出た。後ろからシルヴィアとシュヴィアルツがついてきた。

シュネーも来たいみたいだが、動くとクノッヘが起きてしまい大泣きしてしまう。


◆◆◆


「(本当、不便だな)」
深雪は思わずにはいられなかった。
別に田舎が嫌いではない。むしろ好きな方だ。

だが、深雪は魔導士にして騎士である魔導騎士だ。
しかも魔導騎士の総体隊長を勤め、ポケモントレーナーにしても非公式も含め幾つもの大会で優勝をおさめるプラチナランクを持ち時期赤炎ジムリーダーといわれている。
総合にしてAAAランクの折り紙付きの凄腕のプロフェッショナルだ。
普段の短距離移動はポケモンの力をかりた魔法か瞬間移動魔法で一瞬で付けるのに歩かないとならない。スクーターがあるのだが、地球の味方排気ガスがでないソーラー充電機能が着いたスクーターだがそんな超テクノロジーはこの世界にはまだないため使えない。


だが、一番大変なのは金銭だ。

ΡΜ虹国では単位はフェイルだったがこっちは円だ。ΡΜ日本国は円だったが世界が違うせいかそれなりの違いがあった。
バブルがはじけるとも、カルチャーショックともいえる事だった。

深雪は早く帰りたい意志がさらに強まった。
妹たちとも合えないし、合う約束をしていた友人にも合えないし、タイセツナ仲間や子供たちにも会えないのだから。

深雪自身も自分がシスコンでありフレコンでもあると認めている。
「あら、卯月じゃないか。どうしたんだ?」
深雪は横を走ってた勇希に足をかけて(←)呼び止めた。
「あっ、み深雪さん
転ばされた勇希は肩にデールを乗せた深雪に言った。


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