霧の先にある希望の虹


□純白の羽根と虹色の羽根
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「お姉さん、外国の人?」
「うん、日本には友達が沢山いるから日本語できるんだよ」
嘘ではない。
「凄いね、あっデールくんお姉さんのなら、これもお姉さんのだよね」
ポケットから白い羽根を出した。
「デールくんが持ってたの、落としたんだ」
物拾いで何か拾ったか、と思いありがとうと受け取った。

「(これは‥‥っ)」
深雪はフラッシュバックに似た感覚に襲われた。
否違う、この女の子の起こるだろう未来だ。
普段は制御しているが、羽根が深雪の先読の力を増幅させたのだろう。

「それじゃお礼にこれをあげるよ」
首にさげていた羽根のペンダントを渡した。
「わぁあ綺麗な羽根。七色に光ってる。いいの?」
「ええ、御守りよ。かならず貴女を守ってくれる」
見てしまった。まさか、こんないい子が、こんな優しい子が11月半ばで―。

それだけは阻止する。

「大丈夫?お姉さん」
「ああ、大丈夫だよ」
「お姉さん、お名前は?私、堂島菜々子」
「私は‥‥炎火深雪だ」
「深雪、お姉さん。本当にこの羽根貰っていいの?御守りなんでしょ?」
「ああ、(イリスなら、わかってくれるだろう)この羽根は貴女も貴女の家族も守ってくれる。私は十分守って貰ったから大丈夫だ」



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