霧の先にある希望の虹


□氷の貴公子と探偵王子
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リア視点


不便だ。

普段ならばシュバで移動出来るのにこの世界ではポケモンはいないから使えない。シューなら犬と言い切れるけど、シルビーやクノは迂闊に出せない。
それに銃刀法があるから武器も使用できない。否、出さなきゃいいだけだ。
魔法だって存在しないから人目を気にしないと使えない。

なにより、換金がめんどくさい。
次いでいえば、僕は人混みが嫌いだ。

「‥どうぞ」
「えっ?あっ‥‥ありがとう」
老女がふんわり笑って言った。
「日本語お上手なのね」
「長いですから、殆んど故郷のような国です」
バスとか電車は余程の事がないと乗らないから。
故郷にいる頃はシュバで移動する以外はいつもリーフが送り向かいや身の回りの世話をしてくれていた。

そういえば、深雪達は良く僕をおじいちゃん子っていうけど、麗奈や深雪だって十分おじいちゃん子だと思うけどな。

ようやく目的地についた。
早く換えの服やズボンを買おう、ついでにサラシも買おう。
普段から服や靴、カバンまでオーダーメイドにしているからそれが祟った。自分のサイズが分からななんて、カッコ悪すぎるにも程がある。
「試着‥‥」
しかし、問題がある。不本意だが、こればかりは個人差があるため文句は言えない。つけてどうにかなったら昔になっている。否、無理をすればできるが、やるわけにはいかなくなってしまった。



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