レジェンド・ウィング 完
□五章 誰にだって一つや二つ弱点がある
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「スタンプ?」
「スライス?」
「スライド?」
「‥‥‥」
「あんたたち、二階級あがりたい?」
灯炎を出して、鯉口を切り言った構えた。
「深雪、仁たちはは軍人じゃない‥‥」
「すまん、すまん。つい」
「ったく。つまり、雛芥子はスランプで家出つかジム出?してるのか」
雛芥子の弟子の潤に聞いた。
「はい、一ヶ月少し前からです」
「ヒナ‥‥あいつポケギア持ってなかったけ」
「でもそれで何で、鳥ポケモンがいなくなったのに結び付くんの?」
「それが、ハンターが」
「地方に売れば、か。ポケモンは地方に寄って生態とか身体の模様違うからな」
ハンターがジムリーダー不在をいいことに好き放題やってるらしい。
「ハンターをなんとかしないと」
「ヒナも探さないとな」
「ハンターを最優先にした方がいい‥」
珍しくリアが意見を上げた。
「リア‥‥?」
「‥そうだな」
◇◇◇
「何で俺がリアとペア?」
深雪は葉月を連れて雛芥子を探しに行った。
雛芥子を知ってるのは深雪だけで、情報網があるからだ。
戦いなれてない葉月を何をするか分からないハンター退治に参加させるわけにもいかないので深雪と同行することになった。
「‥‥‥こっち」
「あっ、リア」
帽子を被り直して足を進めた。
「リア、本当にこっちでいいのか?」
無言で足を進めるリアを追い掛けた。
「‥‥(あんまり話してないし、よく知らないけど‥今のリア、ちょっと様子が変だ‥‥‥ハンターって聞いた瞬間から)」
「‥クノッヘの母さんは殺された‥‥‥ハンターに」
突然、ぽっつりと呟いた。
「え?」
「‥‥クノッヘの母さんが『色違い』だったから」
クノッヘに遺伝はしていないものの、クノッヘの母は色違いのガラガラだった。
「シュバも色違いという事から仲間やトレーナー、ハンターに狙われてたんだ‥‥」
クノッヘもシュヴァルツもリアに出会ってなかったらどうなっていたか分からない。
「それで‥‥てか、リア‥‥俺、口に出してた?」「言ってない」
即答した。
本当に0.01秒だった。
「じゃ‥‥(何で‥)」
「僕が、『人心聞伝-テレパス-』だから‥」
「テレ‥パス‥‥?」
「そう、『創造主』が始めて愛した女との間に産まれた人の『生まれ変わり』だから‥‥人の心やポケモンたちの言葉が小さい時からわかった」
皮肉でも、自嘲するわけでもなくなんでもないようにいった。
まるで他人事の様でもある。
ガサガサッと森が騒いだ。
∫∫∫
「ありがとう、杏。後日礼は贈る」
ポケギアの電源ボタンを押した。
「葉月行こう、ヒナが危ない」
葉月を抱き上げて、フレイムに乗った。
光の知り合いに片っ端から電話したりして、雛芥子の情報を集めていたが、数件で分かったらしい。
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