霧の先にある希望の虹


□真実と見直し
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昨夜の事もある、深雪は今日は珍しく遅く起きた。と言っても、普段から四時に起きて、水浴びや早朝稽古をしているため一般的な時間帯だ。
「んっうーっぅ、6時、か。ふぁぅ、そろそろ起きてご飯作るか」
腹の上で寝てたほしを下ろして、着替えてから部屋を出た。
タッタッタと戻ってきたら、お気に入りのヒノアラシが刺繍されたブーツ型のスリッパを履いた。
その後をククと灯火、ほし、デール、ぺぺ、リリ、ブルースが着いていく。





遠い世界へ君が離れてしまっても
夜空に思い描くよ
他人(だれ)にも代わりはいない
君はオアシス

「(深雪……?)
壁に掛けた時計を見ると8時を指していた。


「心に咲いた華はきっと枯れはない」
「深雪」
「あら、起きたのか」
深雪は二階のテラスでクッション等を陽に干していたらしい。




特捜隊メンバーがそろい。今までの事を整理しながら話した。
「生田目は搬送が間近らしいです」
直斗が言った時、深雪が仮設であるができたを話した。
「少し戻るが、くぼみつおっていったか?あいつ勇希たちの学校の諸岡っていう教師撲殺したんだったな」
今も少年院にいるであろう美津雄を嫌だが思い出した。
「そいつ雪子や完二とりせを入れたって言ったんだよな」
実際は自分が犯人と言っただけの模様犯だ。
「本当にそいつはテレビの中の世界やシステムを知っていたのか」
深雪も違う事件と解っていたが、奇妙な繋がり点がありそれが気になっていた。
「『最初の勇希たちみたい』に何も知らなかった」
リアが言った。
「それなら、諸岡先生の事件も合点がいきます」
危ないのを解ってたなら放り込んでおけば勝手に死ぬ。
「諸岡氏の時だけ行方不明がなかった、死因がはっきりしてる。ていうのがあるからな」
模様犯となり、それどころか事件の真犯人を演じて自分が凄い人間だと報しめる。
「それから、生田目の事だが」
と深雪は本題に入った。
「もしかしたら、『生田目もテレビの中のシステムを知らなかった』んじゃないか?」
テレビの中が安全だと思っていた。
「でもあのシャドウの言葉」
「だが、リー。本心とは違ってたんだろ?それよりもそれが本当に生田目のシャドウだったのかも怪しい。生田目が犯人ならなんで『勇希にだけ脅迫状』を送ったんだ?一番年上の私たちにではなく、特捜隊全員ではなく、『勇希にだけ』」
不自然な点が見えてくる。
「一度生田目に話しを聞くしかないね。筆跡鑑定してる時間ないし」


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