霧の先にある希望の虹


□辞令と大事件発生
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次元宅配で色々と送られてきた。
「どうでもいいが、何でおまえらここに集まるんだ
深雪が言った。
「だってさ、いつもジュネスのフードコートに集まってたら不自然だから」
「すでに自然になってるんじゃないの?」
「いいじゃないですか、深雪さんのつくるお菓子が美味しいのがいけないんですよ」
ちゃっかり特捜メンバーは深雪のラフランスと林檎のタルトを食べている。

「私のせいか?私の。てか、作るんだから完璧にやるわよ」
「深雪、おかわり」
「すいません、深雪さん‥」
「華美から送られてきた林檎。たくさんあったけど、これなら腐る前になくなるね」
「リーだけでも半分以上は無くなるわよ
華ちゃんも、少しは考えて送ってほしいが、華ちゃんだからな。てか見てたなら、隊長、じゃないか副隊長の権限で止めろよな直緒」
分属隊の仲間でもあり、華美は幼馴染みでまだ二人称にちゃんづけがぬけない一人で、直緒は後輩にあたるらしい。
「千広を隊長にしてるのも間違ってるからね」
少し濃いめ(口直し用の為)の紅茶をカップに注ぎながら言った。


「そういえば、前に居た国と通信しかできないって言ってませんでした?」
「ああ、先月手続きが終わったからな。じぃちゃ‥‥司令官から正式にこっちの異常現象を解決する辞令をもらったんだ。それで、パソコンとか図鑑とか送ってもらったんだよ」
今朝届いた荷物から、包装されたパソコンをだした。
「直斗の救出の時にスナッチしたポケモンもこれで送れるし、入れ替えもできる」
「あの、深雪さん。さっきから気になってたんですが‥‥」
千枝が言った。
「何か?洋梨厚かったか?」
「いえ、大丈夫です。そうでなくて、そのエプロンは?」
深雪はエプロンをしたままだったが、そのエプロンは黄色を基調としたデザインで、胸にアップリケでYUKIとついている。ポケットは炎の形になっている。

「私の可愛い妹の 手作りだが、問題ある?」
『ありません‥‥(しっかり愛用してるんだ‥‥)

双子では無かったか、と思ったが、誰も言わなかった。
「それより、これからより寒くなるから、送られてきてよかったよ、私は冬は ホットカーペットと炬燵とドテラにストーブとククとほしがないと死んでしまう」
温暖地域で産まれ過ごした深雪はかなり冷え症だった。
「ククとほしは湯タンポだからね、冬は」
「まさか、そのドテラも‥」
「沙苗の手作りだ」
あたりまえじゃないかと深雪が言った。

深雪の今までのイメージや威厳が一気に音もなく崩れさった。


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