レジェンド・ウィング 完


□閑話 虎穴に入らずは虎の子得ず
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深雪の章



リーグもいよいよ決勝戦まで来た。
開催日は3日後と期間が空くが、パーティのメンテナンスや結成には十分な時間だろう。
深雪は誰にも告げずに修行するために雲隠れした。
パーティはどうするか――バクフーンを外すのはあり得ない。
切り札であり、ビクティニではないが自分を勝利に導いてくれるエースだ。

残りは――
獅志(しし)、ヤヤ、ちょちょ、ほし、真美、シャシャ、ファントム
期間までみんなのランクアップを見極めて決めるしかない。

ししとほしはタイプではククと被るが違反ではない。
全部同じタイプで出場したり、全部同じ種族で出場する人だっているのだから。

「とりあえず、ヤヤとちょちょを進化させるか」
ししが真っ先に進化したために二匹も闘争心がわいているようだ。
そこに、野生のポケモンが二匹飛び出してきた。
「ミミロップにトロピウス…。ヤヤ、ちょちょ!ONAIR」
「メェッ」
「きゅっ」
ウサギに果実の恐竜対草山羊と水狸の戦いが始まった。

「(まずはトロピウスから)ちょちょ“冷凍光線”!」
「ぎゅうっ」
草と飛行ならダメージは四倍。
「ヤヤ、“メガホーン”」
ミミロップが立ちふさがる。
「て、冷凍パンチかよっ」
なんとか避けた。
深雪は様子からミミロップが♀だと思った。
♀-女-同士の壮絶なる戦いを勝手に始めた。
「ちょ‥じゃなくて、えっと‥こら、ヤヤ!!」
ちょちょが反応して言い換えた。
トロピウスは呆れてどこかにいってしまった。
よしよしとポンチョをなでて抱き上げた。

ししのグレイオンはおっとりしているが好奇心旺盛
ヤヤのリーキッドは生意気な性格で血のっけが多い
ちょちょのポンチョは照れ屋な物音に敏感
性格が違うが、ずっと三匹で過ごしていたため仲良しである。
ミミロップと攻防を続ける幼馴染みをどうしようかと深雪を見上げた。
ヤヤだけ今一言うことを聞いてくれないのだ。
ウサギと山羊。草食同士のケンカはなんとも言えない。
「‥ヤヤ、“太陽光線”!」
太陽の日差しが強くなったので指示をだした。
いきなり指示をだしたからミミロップは戸惑いから一瞬動きを止めてしまった。
ノックダウンしたミミロップは逃げ出した。
「ふぅっ、ヤヤ…」
とっさでも、言う事を聞いてくれた。それなりになついてくれてるようだ。



◆ ◇ ◆ ◇



「めざめるパワーは……
ヤヤは『雷』、ししは『毒』、ちょちょは『虫』みたいだな。
それから――シャシャは『幽霊』、ファントムは『超』」
因みに、ほしは『龍』
真美は『闘』、ククは『水』

「何気にバランス取れてるな」
ポケモン図鑑を見ながら記憶しておく。
「草属性のポケモンは比較的成長が早いからそろそろだと思うんだけど…」
好戦的なわりに、好奇心が強い獅志が先に進化した。
「シャシャも、もうそろそろかな?」
シャフィンは進化すると砂鯱ポケモンの『オルフィン』になる。

「っ!」

何か聞こえた。

呼んでいるような声が――。


耳に出はなく直接頭に伝わってくる“テレパス”の様な感じだ。

「主」
「ああ」
ククを残してみんなをボールに戻した。
気を集中させて進む。

「どこから‥」

ここら辺でエスパータイプのポケモンはいないはずだ。
他にテレパシーが使えるポケモンがいるのか、流れてきたのか、捨てられたのか定かではない。

「洞窟の方だな…」
洞窟に足を踏み入れた。






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