レジェンド・ウィング 完
□九章 四聖皇王国伝説
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ポケギアが鳴る音で目を覚ました。
見慣れた天井に所狭しと並んだ本。壁についた年期がある染み。
本棚に入りきれない本が山となっているのがいくつもある。
専門家しか読まないような難しい本、神話や伝承が書かれた本、各地方の歴代の歴史書ないとしたら漫画か雑誌だろう。
眠気眼で本に埋もれた机にあるポケギアをとった。
【炎火深雪 ポケギアA】
発信者を見てすぐにでなかったのを少し後悔した。
「はい…も『―モルゲン、ようやくでた。
あんたまた徹夜して本を読み漁ってたのか?』
自分の性格や日常生活、出るまでの時間を予測してるからこそ言える。
「それで、どうしました?。深雪さん」
ほどけかけた髪ゴムをといた。
『―今すぐ教えてほしい。知らないなら調べてほしいことがある』
「はい?」
これからする質問が知っているなら教えてほしく、知らないのなら、調べて教えろといういみだ。
『―虹島が正式名になるまえの‥【強生弱死時代】の頃の歴史をしりたい』
また随分と(ある意味一番)古い話だなと思ったが、深雪の声から一刻を争うことだとわかった。
「詳しい話を」
ペットボトルをとり、飲みかけのすっかり温くなったお茶を飲み干した。
『―現地だ【強生弱死】があった王国の現地』
「深雪さん。まず、知っていましたか。我が虹島が『参こう』ではなく『肆こう』なのを?」
『―[にじ]、[べに]、[ひかり]。の他にあったのか?』
心の色彩る地方・虹
花咲き誇る地方・紅
過去を偲ぶ地方・光
「第四の地方は滅びたとされてます。
ただ荒れはてた大地が広がっていて、人どころか適応力があるポケモンですら住めないし、近寄らないんですよ。
その地方に『強生弱死時代』が起きて、数年だけあった時代があるんです」
強生弱死時代が長く続き、大きすぎて歴史に埋もれてしまっているため教科書に乗っておらず、専門の学者ですら知っている人は少ない。
『―なんて時代だ?』
「まってください。えっと、確かこの山に‥‥あった。四聖皇王国これです」
『―しせい、こう王国?』
深雪も覚えがないものだ。
まあ知らないから『専門』の彼に連絡をしたのだが。
「虹島の、強生弱死のまえにあった時代『強弱救一皆時代』です。
四聖皇王国の崩壊となったのが、『強生弱死』です」
『―おい「輝道」。第四の地方の名前わかるか?』
「はいっ書いてありますよ。
しあわせ
『幸福』のこうです」
『―ふーん、[幸せ]が滅びた…なぁ
皮肉なものだな』
「しかたないですよ。強生弱死が起きていた王国の領地内でしたし。一番近い地方の光の半分と、紅の一部、虹の一都も巻き込んでいますから」
『―まちなさい。今、なんて…
領地内の後!!』
「はい?。一番近い地方の光の半分と、紅の一部、虹の一都も巻き込んでる……」
『―おかしいだろ?強生弱死時代が終わってもう何千年いや、何万年にもと過ぎてるのというに…どうして「傷跡が今だに残っている」!?』
「え?、確かに、でもそれが…」
『―わからないのか?東西南北。
虹島をそれに割り当てて見てみろ』
深雪にいわれた通り輝道は地図帳をひろげた。
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