霧の先にある希望の虹


□バレンタイン・スクランブル
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出来上がったチョコを箱にいれてラッピングした。
メッセージカードに一言添えて


「お疲れさま、じゃお茶にしよう」
といいテーブルにチョコをならべた。

「あれ?これって……」

リアが深雪に要求したチョコたちだ。
「好きなもん食べろ」

深雪はリアのあの要求だけで、作り終わったらお茶にしようという意味だと理解したのだ。

付き合いが長い二人だから言葉足らずでも通じるのだろう。


「ありがとうございます」
「じゃ私これがいいな」
午後のお茶会が始まった。

「わぁこのエクレアバナナ入りだ」
「流石深雪さん、こだわりますね」
「チョコシューはクリームもチョコにした」

少し濃い目の紅茶を配りながら言った。


★★★


「じゃ深雪さん、ごちそうさまでした」
片付けも終わり、直斗たちはチョコを渡しに言った。

「………深雪」
「いいや、割りきってるよ。……どっちにしろ私たちと卯月たちでは、『寿命』が違い過ぎる。だが、この半年は本当に楽しかったな」
「うん……」
「誰もが忘れても私たちは忘れない」

タイムリミットまで後二ヶ月


★★★


「で、これが直のか」
「はい…」
直斗は卯月の部屋で自分のとりせたちから預かったチョコを卯月に渡した。

箱にはハートの形にしたチョコクッキーが入っていた。
ホワイトパウダーで雪のようにしたりと一工夫してある。

狙った訳ではないが、外には雪が降っていた。
「それじゃご飯食べてから頂こうかな。
食べていくだろ、直」
「はい、お手伝いします」
「ありがとう、じゃ菜々子と三人で作ろうか」
「はい」


その日は珍しく堂島が早く帰宅した。
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