レジェンド・ウィング 完
□五章 誰にだって一つや二つ弱点がある
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ジープに積まれた檻にはオニスズメやムックルが入れられていた。
「あん?何だ、トレーナーか?」
人相がいいとはいえない男三人が鳥ポケモンを乱暴に檻にいれた。
「正義の味方ずらしたトレーナーか?」
「『そんな事したらいけません』て、説教しにきまちたか?坊や」
ばきゅんばきゅんばきゅん
「リ、リア
」
リアは予告なしに発砲した。
「何でガキだ
発砲してきやがった」
「じゅっ、銃刀法違反だぞ
」
「密入してるやつらがいうか?」
アリアドスが言った。
しかもリアは檻のポケモンたちに流れ弾が行かない様にしていたりする。
「てかリア、お前何で銃なんて携帯してるんだ?」
「大将から貰った。軍辞める時に」
弾をつめ直しながら言った。
「リア、確か‥‥て、わぁわぁこっちに銃むけるなって![](/img/emoji/6M.gif)
」
無言、無表情で近距離から銃口を向けられて仁は冷や汗が出た。
「なめた真似しやがって」
「ガキどもが、俺たちに楯突くとはいい度胸じゃねーか」
ボールを出して、ポケモンを繰り出した。
「っ
」
エレブー、ルクシオ 、ライボルトが出てきた。
「アリアドス」
「わかってる」
アリアドスが原形に戻った。
「‥はぁ‥‥‥ゃ‥」
「リア?どうし‥」
た、と仁が言おうとしたが、リアはへたりと座りこんでしまった。
「や‥‥やだ‥‥や‥」
ガタガタと震えて顔は青ざめて、自身の身体を抱き締めた。
「バっ、‥『バケモノ』」
普段の理性や冷静等微塵もない。
「まさか、電気タイプが苦手なのか、坊や」
苦手というレベルを既にこえている。
ポンっとシルヴィアとニュニュ、シュネーが出てきた。
「チッ厄介なやつがいたなっ」
「少し油断したな」
ニュニュが擬人化して、リアを支えた。しかも二回舌打ちした。
小さい頃からリアと一緒にいたシュネー達はしっている。『あの事件』があった日の事も、まだ一桁のLevelで、何も出来なかった無力なポケモンだった頃から。
あの残酷としかいえない地獄絵図ともとれる光景を――――。
◆◆◆
「地獄絵図、だな」
ククが残党に雷拳を打ち込んでいった。
「峰打ちよ」
「急所蹴っておいて峰打ちはないんじゃないか?」
黒髪に触手-アホ毛-が一本伸びた悧発そうなまだ青年になりきっていない人物―否、擬人ポケモンが言った。
「まさか、『貴女-雛芥子-が捕まって少ししてからハンターが動いた』とは予想外だったけどな」
雛芥子を拘束しているロープを愛刀で切った。
「捕まえてる間に好き勝手に‥‥」
「とにかく急いでリーたちと合流しないと、『アイスバイン』がからんでないとはいえ、些かやっかいだ」
「私ではそんな距離を運べませんよ」
「当たり前だろ、だから」
「私がいるんです」
フレイムが言った。
「深雪、何で伝説のポケモンに懐かれてるの?」
「え?フレイムは友達だけど」
ね、なーと言い合う。
気高く、人間を寄せ付けない雰囲気がある伝説ポケモンがたとえエキスパートでも、ここまでは普通は懐かない。
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