レジェンド・ウィング 完


□三章 セツナの戦い
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「それで、ミン。私に相談って何?」

「ふっ相変わらずじゃな。PCで話そう」
この村のPCはただポケモンを回復してくれるだけでとまる設備がないが、代わりに暖房設備が整っている広いロビーがある。



温かい飲み物を自販機で買って、空いてる椅子に座った。
「それで」

タグを開けて、真美に渡して、自分のを開けた。
「うむ、実はここらあたりに色違いのリオルがいるらしいのじゃが‥‥」
「そういえばそんな噂があったな。ミンは鋼ポケモンのエキスパートだしな。
だが、それが『私たちをよんだ理由じゃない』だろ?」

ここら辺は稀にだがルカリオがみられる。進化前のリオルはさらに少ない。
それが色違いともなればトレーナーやハンターは探すであろう。

「貴女がゲットを手伝えなんて事は言わないな。何があったんだ?」
ミントは深雪やリアと違いプライドが高く、初心者のような甘い事は言わない。

「実はミノノを探すのを手伝ってほしいのじゃ‥‥」
ミントは本題を話した。

「ミノノって、確かミノムッチだったな」
「否、ミノダム(ゴミのミノ)に進化した」
「もしかして、その色違いリオルがミノノをつれさった?とか」
「そうじゃ、あっという間であったからゆえ‥‥、見失ったのじゃ‥‥」

二人はリオルが一晩で3つの山と2つの谷を渡れたのを思い出した。
もしかしたら、中にはそれ以上渡れるリオルもいるだろう。

「リルルにそのリオルを探させていたら、近くに二人がいるのが分かったのでな。
頼む、我の力では不足なのだ。力を貸してくれ」
「断る理由はないな。それに、私たちは仲間じゃないか、そんなに畏まるな」
こんとミントの頭に拳を乗せた。
リアもこくりと頷いた。
「ありがとう。リー、ゆき」



雪鳴谷

谷で風が吹き雪が舞いながら鳴き声を上げてるように聞こえるからこの名がついた。

ちらほらと血眼になりながら例の色違いリオルを捕まえに来た人や、純粋にポケモンを捕まえに来た人と別れている。

「寒い‥!」
「深雪、86回目」
何時もながらどこかずれた夫婦漫才をしながら探索を続ける。
深雪はほしを肩に乗せ(マフラー)真美を腕に抱っこ(湯タンポ)している。

「リルルどうだ?」
ミントのリルルは普通のルカリオより二、三キロ先にいる人の考えを感じられる。

「駄目だ。こう人が多くては」
「そうか」
「仕方ない。地道に捜すか」
「それしかないか」
吐いたため息は白く濁ったが、直ぐに透明な色に溶けていった。

「おい、あれ」ひそひそ「わ、美人揃いじゃねーか」ひそひそひそ「帽子の子、どっちかの彼氏か?」ひそひそ「俺、浅葱毛の子好みだな」「俺も、俺も」ひそひそひそ「俺は断然赤毛の子」ひそひそ「あの男の人素敵だけど、ポケモンだよね‥‥」「多分。だって、浅葱の髪の人に頭撫でられてるから」
周りから注目を浴びてるのに当の本人達はそれに気付いていなかった。それもミノノの探索に集中しているからだ。

『類は友を呼ぶ』は以外に間違っていないのかもしれない。



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