霧の先にある希望の虹
□氷の貴公子と探偵王子
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リア視点。
「ふぅっ」
少し暑くなって、帽子をはずした。
「おい、お前」
「帽子くらい外したっていいだろ?」
いちいちうるさい奴。
「さっきから、お前何者だ![](/img/emoji/6I.gif)
銃にもやけに詳しいらしいが」
「‥‥ハイネ」
こんなゲスに名前を呼ばれる何て虫酸がはじる。とっさに思い当たった名前を言った。
「はいね、似合わん名だな」
「余計なお世話だ」
銃口が僕に向くが、僕は真っ直ぐ認める。
「おい、そっちのお前は探偵王子とかいう小僧じゃないか?」
「そうですけど、何か?」
「ほう、威勢のいいガキが二人もいるとはな」
しばきたい。
「一様20を越えてる」
「ほう本当に最近の子供は外見の成長は遅いんだな」
「っ
」
こいつ僕が一番気にしている事を、悪かったな、雪月花組でも一番下のミントに身長越えられたのだってくやしいのに。
虚弱児なんだから仕方ないだろ
今だって時々貧血で倒れる時があるんだから。
『ヒノヒノー、ヒノヒノー』
聞き覚えのある着メロがなった。
「なんだ?この変な着メロは?」
「あっ、ゆきの携帯。借りてたの忘れてた」
深雪はリアルに仕事、プライベート、福職と分けて携帯を持っていてしっかり使い分けている。
一人で出かけるから、プライベートの携帯を借りたんだった。着メロがククのヒノアラシ時代の生の声だ。
『ただ今仕事中だから名前と用件言え』
深雪の声で言った。
『(なんでオレ様
)』
『―おい、ハイネ。
焔だが、悪いが帰りにアイス買ってきてくれ、抹茶な。よろしくな。遅くなるようなら特番録画しておくから』
端から聞けば、同居している友人の連絡のような内容だ。
ハイネを使うのをよそうするとは、さすが深雪だ。
白い帽子を被り直した。
それも、あれが僕に伝えるための隠語だとも知らないだろう。
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