小説部屋((乾海))
□魔法の言葉
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魔法の言葉
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俺が最初に好きになったのは、アンタの声だった…。
『薫…。愛してるよ。』
そんな事言われなくたってわかってる…。
俺もアンタが好きだから…。…けど、やっぱりちょっと恥ずかしいから
『……そんな事、言うな…』
ついつい意地を張ってしまう…。
言ってくれないと、不安になって、死にそうになるのに…。
アンタが側にいてくれなきゃ、ダメなのに…
…俺は、いつからこんなにアンタを愛しているんだろう……。
そんな事忘れた…。
あの人が甘く低い声で、俺の抱く不安と一緒に溶かしてしまったから…
だから、俺はあの人の声が好きなんだ…。
俺の不安を取り除いてくれるから…。
『好きだよ』
俺だけに
『大好き』
俺だけの
『愛してる』
魔法の言葉…
甘く…低く…
俺の為に呟いて…
俺もたまには
アンタに呟くから…
アンタにしか聞こえないように……