ひばり幼稚園ぼんごれぐみ

□ハチャメチャ天然先生と恋
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◯月△日 くもり






今日はこの間会えなかったからと京子ちゃんが気を回して、もう1人の女の先生を俺に会わせてくれるらしい…






それにしても遅いな〜…





「ツナ君!遅くなってゴメンね?」
「あっ、う、ううん!それより……」






京子ちゃんの周りを見ても会わせると言っていた女の先生の姿はなかった。







「あの……俺に会わせるって言ってた先生は……?」
「あっ…ハルちゃん?もうすぐ来ると思うんだけど……」






そう言って廊下の先を見つめる京子ちゃんと同じように俺も見ていると……





「はぁっ……はぁっ……すいませぇぇんっ スリーピングしすぎましたぁぁぁ〜……」






バタバタとこちらに向かって来るポニーテールの女の人がいた。






「京子ちゃん……もしかしてあの人……?」
「うん!三浦ハルちゃん!」
「そっ……そうなんだ……」







何だかまた苦労させられそうな気がしたが、まずはハルが辿り着くまで待った。








「きっ……京子ちゃ〜〜ん グッド、はぁっ……モーニングっ…ですぅ〜〜 」
(「そんな苦しいなら走りながら話すの止めれば良いのに……)」
「はぁっ……ぎゃんっ 」









そう思っていた俺の前でハルは盛大にすっ転んだ。








「ハルちゃん 」
「だっ……大丈夫っ 」
「あぅぅ〜……フェイスと足首が痛いですぅ〜…」









ハルが押さえる足首を見るためにズボンの裾を少し捲るとぷっくりと腫れていた。









「私タオル取って来る…………ツナ君?」
「俺が保健室連れて行くよ!確か職員室の奥だったよね?」
「うん!じゃあ、お願いしても良いかな?」









にっこり笑って言った京子ちゃんに頷くと座ったままだったハルを抱き上げた。







「はひぃぃぃ〜〜 ////恥ずかしいですぅ〜〜… ////」
「暴れたら落ちるからじっとしてて」
「…………はぃ…////」






ハルは俺の言った通りに黙って運ばれていたけど、真っ赤な顔を隠すようにしていた。





ーー…




「ここでちょっと待ってて?湿布と包帯探すから…」
「……はぃ…////」







保健室の戸棚から湿布と包帯を見つけた俺はハルの元に戻った。






「足……出して?」
「あっ…はい」






腫れた足を出したハルの顔はまだ赤かった。






「顔…まだ赤いけど、痛いの?」
「はひっ そっ……そうじゃないですから!のっ、ノープロブレムですっ 」
「そう?…はい…出来たよ」






いつもよりは上手く巻けた包帯に満足していた俺にハルが一言……







「ツナさん……立ったら落ちます……」
「……ゴメン。俺…不器用だから…」
「あ…ツナさん!ハルはここまでツナさんが連れて来てくれた事と、不器用でも手当てしてくれた事が嬉しいです!ベリーハッピーです!だから気を落とさないで下さい!」
「ハル……」






そう言って笑ったハルが少し可愛く見えたのは気のせいにしとこう……








「それにハル……ツナさんに恋したみたいです……///」
「え?…………えぇっ 」
「ハルを抱き上げた時の腕や胸にハルはドキドキしたんですぅ〜〜 なので、ハルはこれからツナさんに毎日ラブアタックしますからっ 」







俺にアタックすると息込んでいるハルを前に俺は乾いた笑いを浮かべるしかなかった……







俺の幼稚園生活の波乱がこの何日かで垣間見えた気がした……




END

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