牧物わくアニ

□頭上注意
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「今日も良い天気〜!」
「降水確率0%…」
「よーし!頑張るぞ!!」
「…アカリ…今日、手伝い出来なくて、ごめん…」

こんなに天気の良い日には仕事が多くて大変なのに、俺は手伝いが出来ない。
本当に申し訳なくて頭を下げる。

「いいよ!気にしないで!ゲイルにはいつも手伝わせちゃって悪いなって思ってたの」

それは、俺が少しでもアカリの力になりたいと思っての事だから、アカリの方が気にする事ないのに…。

「ほら!魔導書探しに行くんでしょ?」
「うん…」

そう、俺は今日自分の家の本棚に忘れて来た魔導書と占術の本を探しに行くのだ。

「じゃあ、行ってくる…あまり無理しないで…」
「大丈夫だよ!行ってらっしゃい」
「行ってきます…」

俺がアカリの手伝いをするようになってから動物小屋や鶏小屋を大きくしたり、新しい土地を買って畑を増やしたりしたから仕事も増えた。だから凄く心配になる。


早く探して早く帰ろう…。


そう心に決めて街にある家へ向かった。




家に着くなり、さっそく思い当たる場所を探してみる。

「おかしい…見付からない…」

部屋の片隅に所狭しと積まれた本の山。確かそこに置いておいたはずなのに見付からない…魔女に貸した覚えもない…。

「……あ、そう言えば…」

いつだったか引っ張り出して大変な思いをしたから違う場所に置いたんだった…。

しまい込んだ場所を思いだし、本棚へと足を向ける。

「確か、この上に…」

本棚の一番上の棚、きちんと並べられた本の上に横積みされた本に手を伸ばす。

「…あと、少し……」

背伸びをしてやっと指先が触る程度の高さにあるそれは少しずつ棚から出てくる。




が…。





「あ……」


本は俺の手をすり抜けて落ちる。
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