ジャンク

□記憶
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「なぁ、エンデュランス…」

いつものように二人でレベル上げやらアイテム探しをした後、エルディー・ルーの白く輝く大樹の幹に背を預けてまったりしていた時ハセヲの口が開かれた。

「なぁに…?」
「アンタってR:1の時からコレやってたんだよな?」

ハセヲの言うコレはThe Worldの事。

「うん…でも、どうして?」
「いや、俺さ友達に勧められてこのゲーム始めたんだけどよ。最初すげぇ懐かしい感じがしたんだよ」
「懐かしい?」
「おかしいよな…初めてプレイしたってのによ。でもさ最近変なんだよ。お前が連れてた猫…」
「ミア…?」
「それ!聞き覚えがあるような無いような…。後は、はっきり分かるわけじゃねぇんだけど、青い髪の呪紋使い…」
「!?」

顔も声も口調も全く分からないのに、霞みがかってぼやけた姿が、たまに目に浮かぶとハセヲは言った…。

「それからエンデュランスの憑神…。」
「マハも?」
「それだけじゃねぇ、三爪痕だと思ってた蒼炎のカイト…。仲間になってみれば見知った奴なんじゃないかって気がするんだ」


ハセヲ…君は……。


「まぁ、気がするってだけで錯覚かもしんねぇからな!気にしない方が利口だぜ」
「うん。そうだね…」

そうだったんだ…。
君は昔も僕の近くに居たんだね。
でもごめんね?当時の僕は当時の君がキライだった。ミアの情報で僕を…僕たちを騙したから。



僕とミア…マハとの繋がりのように、君にも君の憑神との昔からの繋がりがあったんだ…。君の場合『因縁』って繋がりだけど…。


彼が助けたあの人が君なら、じゃあハセヲは…ハセヲも未帰還者だったんだ。
それを彼が助けた…凄いね繋がりって…。
僕も繋がってたんだ…。

「おいっ!」
「ん?なに…?」
「何?じゃねぇよ!そろそろどっか行こうぜって話し!!」
「あぁ、ごめんね…いいよ、どこ行くの?」
「ドッペルゲンガーでも戦ってみるか!」
「わかった」

ハセヲの横にならんで僕は歩く。
ハセヲは昔の記憶、ないんだね…きっと封印されてた時の影響なのかな?

あのねハセヲ。
僕は君の昔なんてそんなの今の僕には関係ない。
だって…今のハセヲがこんなにも好きで、愛おしくて堪らないんだもの。
だからね?君が昔の僕を知る時が来ても、今の僕を好きでいて…?


FIN

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