企画・過去拍手
□七夕
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「………」
「どうしたの?」
「いや…ちょっと、昔読んだ本、思い出してた…」
「本?どんな内容?」
「可哀相な男女の話し…聞きたい?」
「可哀相かぁ、でも聞いてみたいな!」
「あの川みたいな星、わかる?」
「うん、すごい綺麗!」
「その両脇、光が強い星あるでしょ」
「アレとアレ?」
「そう…その話し。アレが彦星で、アレが織り姫…二人は仲が良い恋人だった、神様に結婚を許されて…結婚した」
「素敵な話し…」
「元々働き者だった二人、でも結婚して…働かなくなった…怒った神様が二人を離れ離れにした」
「だから二人の間に川が…」
「そう。で、二人は一年に一回だけ…会うことを許されてる」
「い、一年に一回!?可哀相…」
「そうだね…それも、その日に雨が降ると川が増水して…橋がかからない…その年は会えない」
「そんな…」
「その日は二人の願いが叶う事から、願い事が叶う日ともされてる…」
「願い事…」
「アカリは何を願う…?」
「私はゲイルと離れ離れにしないでってお願いする!」
「大丈夫…」
「ゲイルは?」
「俺?…毎日、アカリと…一緒にいたい」
「うん////ゲイル!私、頑張って働くね!」
「え?」
「そうすれば神さまに怒られないもん!」
「いや、でも…あの神さまは、話した神様とは違う」
「よーしっ!明日から頑張るぞ!」
「俺の話し、聞いてない…」
「ゲイルもだよ!」
「……了解」
FIN