過去拍手

□寒いけど…
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寒いけど…























秋も終わり冬がやって来た。
そろそろコートやマフラー、手袋なんて防寒具が昼間でも必要かな?


「…さて!」

頭にはお気に入りの耳あてニットキャップ、首にはマフラーをしっかり巻いて寒さ対策はバッチリ!!

今の時間は夜の9時。
にも関わらず私は家の外へと出る。向かうは牧場を出てすぐにある砂浜。



「ゲイル!」
「…アカリ、走ると危ない…」
「大丈夫だよ!」

そこで待っていたのは私の旦那さん、ゲイル。
いつも星を見に来てるみたい。

「星、綺麗だねぇ…」
「冬が、一番綺麗…空気が澄んでる証拠…」
「凄いね!何だか手が届きそう」

満天の星空に両手を伸ばしてみる。

「アカリ、寒くない…?」
「平気だよ!…私よりゲイルの方が寒そう…」

ゲイルの格好と言えば、いつもの紫色のローブ姿。コレといった防寒は一切していない。

「俺は…平気、慣れてる……」
「えぇ〜…」
「……やっぱり、寒い…だから、こうする…」
「っ!!////」

ゲイルは私の手を握る。

「アカリの手…あったかい……」

ゲイルとの結婚生活を始めてもうだいぶ経つけど、まだこういう急な不意打ちには慣れなくて…
全身の熱が上がるのを感じる。

きっと今、顔が真っ赤なんだろうな……。


「あ、流れ星…」
「え!?どこ!!」
「……消えた」
「えぇ〜!……あ!また」

一瞬で消えてしまう流れ星にお願い事をしてみる。


『ゲイルとずっと一緒にいられますように…』


「お願い事…した…?」
「したよ!」
「俺も…。アカリと、いつまでも一緒にいられますように…って」
「うん…」
「アカリ、また一緒に…星、見てくれる…?」
「うん!…あ、そうだ!今度ゲイルにマフラー編んであげる!」



吐き出す息が白くなって、雪が降りだしても貴方と一緒なら寒くない。


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