過去拍手
□雪が降る季節
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「キール!凄い雪だっ」
「ああ、一段と寒いなと思ったら雪が降ったのか」
「俺雪なんて久しぶりだ!!」
今にも外に飛び出して、積もった雪の中にダイブしそうなぐらいはしゃいで、ウズウズしているハヤト。
そんな事されたら風邪をひかれてしまうな……。
「わかったから。マフラーと手袋してからだよ」
「わかってるって!!」
やれやれ…
取り敢えず自分もマフラーを巻いてハヤトの後を追う。
外に出れば案の定ダイブしたのだろう跡と、ハヤトの後頭部から背中に雪が付いていた。
「足跡のないトコ見つけるとやりたくなるんだよな!」
「ほら、首に入ったら冷たいだろう?」
後頭部の雪を首に入らないように払い落とす。
「雪だるま作ろうぜ!」
「僕はいいよ」
「ちぇぇ」
渋々一人で雪玉を転がし始めるハヤト。
大分大きな雪玉を作り上げ、満足気に「よしっ!」と声をあげると頭の雪玉を作り始める。
しばらくして出来上がった雪だるまはハヤトの気に入る出来栄えだったようで完成を喜んでいた。
そんなかわいらしい姿のハヤトに悪戯したくなって、手の平サイズの雪玉を僕に背を向けてるハヤトに軽く投げた。
「うわっ!?な、なに!!」
それは見事に当たりハヤトは驚いていた。
「ははは…」
「キール!?やったなぁぁ!!」
「うわぁっ!?」
仕返しと投げられた雪玉は僕に当たり砕ける。
「アハハハ!!どうだ!」
「ごめんごめん君が可愛くてつい、ね」
「か、可愛いとか言うな////」
顔を赤らめる君が愛しくて顔が緩む。
「な、なんだよ////」
「クスッ…いやなんでもないよ」
体が冷えて雪の降るこの季節
それでも君がいるだけでこんなにも暖かい。
やっと見つけた温もりを大切にしたいと思ったんだ。
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