頂き物(二次)
□痛くて恋しくて。
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ぽかぽかと暖かい小春日和の気持ちがいい日なのに、私の心はどうしても晴れなかった。
なぜか、と問われれば答えはわかっている
十中八九彼のことだ
最近よく私のところに遊びに来てくれる、アーサーさん。
彼の優しさがなんだかとても心を痛ませてくるのだ。
「菊ー、いるか?」
「あ・・・」
その声に体がびくりとしてしまうのは、きっと彼が来るのを待っていたから。
自然と顔がほころんでいくのは、彼に会えるのが嬉しいから。
「こんにちは、アーサーさん」
私は今、何ともないようにあなたに接することができていますか?
好きだなんてけして言えないから、この想いにどうか気づかないで。
「ん、桜の花びらが・・・」
彼はそう言うと、私の髪に手をのばす。
さらりと揺れる髪に彼の手が触れた瞬間、
泣きそうになるくらい、胸が高鳴るのがわかってしまった。
「え、どうした菊?!」
「なんでも・・・っ、ない、です」
もうどうしようもなく苦しくて涙がこぼれてしまう。
そんな風に顔を覗き込まれたら、言ってしまいたくなるのに。
胸の痛みも涙も止まらず、彼を好きな気持ちだけが、私の中で加速していった。
(もう、どうしろって言うんですか・・・)
あぁ、この恋の終わりはいつ来るのでしょうか。
end