シャーマンキング
□最優先行事
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「冗談だ、といったんだ」
体重をかけてホロホロに寄り掛かる。
背中にホロホロの体温を感じながら、「一回で聞きとれ」と付け足した。
「冗談って、どこからどこまでだよ」
「さあ?どこだろうな、自分で考えろ」
蓮は胸の前で交差されている腕に顔を埋める。
「ああ!蓮の顔見えねえ!」
「見なくていい」
「やだ。見てえの!顔あげろよ蓮」
「嫌だ」
蓮は顔を上げる様子が一切ない。
この体制が気にいったからなのか、ほかに何か理由があるのかはわからないが。
「こっちのほうがいい」
「何がー?」
「パーティなどより、こっちのほうが静かでいい」
「え、何!?そんなに嫌なのか!?」
「去年のは五月蠅すぎだ。貴様も酒など飲みおって・・・」
「いやー、やっぱ大勢でやると盛り上がるしさぁ;つい、な」
去年の31日の情景を思い浮かべて苦笑いをするホロホロ。
去年は酒がはいったためか、賑やかというレベルを超していた。
「大勢などで祝わなくていい。貴様だけが祝ってくれれば、俺は十分なのだからな」
蓮は顔を腕に埋めたまま。
表情は読み取れないが、チラリと見えた真っ赤な耳で大体予想はできた。
「お前、俺をキュン死にさせる気かよ」
「馬鹿。何いっておるのだ貴様は」
愛しさがどんどん溢れ出す。
口元が緩むのを抑えられない。
ふと時計を見ると、もう少しで全ての針が頂点に達しようとしていた。
ホロホロは蓮の肩に顔を沈め、蓮の耳元で呟いた。
「蓮、誕生日おめでと」
生まれてきてくれて有難うと、これからもよろしくの想いを乗せて。
happy birthday&happy new year...
end