シャーマンキング
□予感
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「・・・・・・」
「・・・・・・」
少しの間が空き、言わなければよかったと後悔した。
(これではまるで、俺が寂しがっていたようではないか)
訂正しようと思ったが、時既に遅し。
キラキラという効果音がつきそうな瞳で、ホロホロがこっちを見ていた。
「え、何?俺が構ってくれなくて寂しかったのか?」
「違う!!」
顔の熱が上昇していくのが自分でもわかる。
今は何をいっても無意味だ。
言えば言う程墓穴を掘ってしまうだろう。
「俺はただ、寒かったから暖まろうとしに来ただけだ!」
だが、そう思っていても弁解の言葉は止まらない。
「そもそもなぜ俺が寂しがる必要がある?自惚れるでない!」
「そんなに真っ赤な顔でいわれてもなあ〜?」
ニヤニヤとした顔で見てくるコイツが憎たらしい。
不覚だ・・・っ!!
「よし!わかった!!」
「っ!?」
一瞬の間に強く腕の中におさめられた。
「なんだ貴様!放せ!」
もがき抵抗をするが、がっちりと腕をまわされていて逃げ出せない。
「ほら、こーすりゃさっきよりあったけぇだろ?」
満面の笑みで俺を見るホロホロ。
「も、もう炬燵が暖まっているはずだ!俺はそっちに行く!!」
「ん、そうだな。そっちの方がいいな」
そう言いつつも腕を解放する気配がまったく見られない。
「・・・・っ///」
それどころかホロホロは俺の肩に顔を埋め、更に密着してきた。
放すようにといったものの、この腕の中から抜け出すのが名残惜しい。
そんなことを考えだしている自分がいるのが信じられない。
無意識に溜め息がでた。
吐息が白い。
「貴様の予感、当たるのだろうな?」
「あったりめぇじゃん!明日は雪!!」
白い蒸気が、空へと吸い込まれていった。
end