シャーマンキング

□学生会話
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「あーいいなぁ、俺やっぱりコレが一番だな!」

「オイラはこっちのほうが好みだぞ」

「葉らしいね、僕はちなみにコッチかな」

「やっぱお前らと俺の好みって全然あわねえなー」



現在は学校の休み時間。

教室が賑わうなか、ホロホロ、葉、ハオの三人も話に華を咲かせていた。

今はホロホロが持ち込んだファッション雑誌を見ながら、各々が感想をいっている。




「そりゃあね、僕と葉は系統が近いけどホロホロはジャンルが違うから」

「オイラはゆったりした服が好きなんよ」

「まあ確かにラフな格好が多いよな、葉って」


ホロホロは葉のいつもの私服を思い浮かべる。

そして、次にハオの私服。

ハオの方が若干大人びた印象を受けるものの、やはり二人の服は似ている。

毎回シンプルな色の服を着ていて、あまりカラフルな格好をみたことがない。




「でも新しいジャンルの服にも挑戦してみたいと思ってるんだよね」

「へー例えばどんな?」

「まっ黒な格好にシルバーのアクセサリーをつけるとか」

「えー・・・」

「似合わんからやめとけ、ハオ」

「葉、やる前から諦めるのは良くないことだと思うんだよ」



パラパラとめくっていくページに軽く目を通しながら会話は続けられていく。

特になにかあるというわけでなく、こうして何となくだらだらと話を続ける。

それは日常の一部であり、少年たちにとってはささいな楽しみでもあった。

授業の合間合間の休み時間は、学生にとってはかなり重要存在なのだ。



「だからさ、今度ホロホロの服貸してよ」

「は!?俺の!?」

「そう、君の。買う前に色んな服を知っとかないといけないだろ」



ハオは『とにかく今までと違う服』というのにこだわっている様だ。

ホロホロの服装も試してみたいということだろう。



となれば、もちろん本人に借りた方が何かと楽だし便利だ。

そんなハオの考えがわかっていながらも、どこか抵抗があり微妙な顔をするホロホロ。

いや、わかっているからこそなのかもしれない。

いい様に使われている気がしてしまうのだ。




キーンコーン・・・



「ああっと、時間だ時間!」


チャイムに救われたとばかりに、ホロホロは話を切り上げるように声をはった。

開いた雑誌を机の中にしまい、いそいそと教科書を出し始める。


葉は不服な顔をしたハオを宥め席にさっさと戻ったが、とうのハオは相変わらずの表情でホロホロを見ている。


痛い視線を感じるが、ホロホロは気づかないとばかりにちゃくちゃくと授業の準備を進めていった。
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