シャーマンキング

□最優先行事
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新年。


それは、新しい年。


騒がしかった一大イベントのクリスマスが終わり、一気にお正月モードへ突入した。






今日は12月31日。

今年最後の日。




夜遅くまで起きてカウントダウンをし、新年になったらドンチャン騒ぎ。



その風景を想像するだけで、テンションが上がってくるものだろう。



新年を迎えるというだけでもワクワクしているホロホロには,更にワクワクすることがある。










それは、恋人の誕生日。







「蓮、今日カウントダウンやろうな」


「貴様一人でやっていろ」



ホロホロの恋人、蓮は明日誕生日を迎える。




恋人のホロホロとしては盛大に祝いたい気持ちでいっぱいなのだが、蓮は騒がしいのが嫌いだ。




「なんでだよ」


「何が」


「なんでだよ!?」


「だから何が『なんで』なのだ!主語をいえ主語を!!」


「なんで誕生日パーティやっちゃいけねえの!?」


「そっちか!?」




カウントダウンの話から誕生日の話へといきなり飛んだことから、蓮はついツッコミをいれる。


この馬鹿の脳の切り替えにはついていけん、とつくづく思う。





はぁ、と溜め息を出し、呆れた顔でホロホロを見る。




「なんでもなにも、俺は騒がしいのは嫌いだ」


「だから今回はこうして2人だけにしたじゃん!!」


握り拳が余裕で入るのではないかという程に大きく口を開いてしゃべるホロホロ。







「2人だけ・・・」


「そう!2人だけ!!」


「1人のほうが静かでいいがな」


「なにホロ!?」




蓮の笑みからして冗談ではないと判断したのか、ホロホロはかなりのショックを受けたようだ。






「んな冷たいこというなよ〜」



ペッタリと蓮の背中にくっつく。

蓮の胸板の前で手を交差させ、強く抱きよせる。


抵抗をするかと思い多少身構えていたホロホロだったが、蓮は大人しく胸に収まる。



今日は機嫌いいのかな、などと考えながら緊張の糸を緩めた。




「・・・冗談だ」


「へ?」



ポツリと呟かれた言葉。

至近距離にいたホロホロだが、完全に上の空で聞き逃してしまった。





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