シャーマンキング
□出会いは始まり
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第一印象はやかましくて鬱陶しいという最悪の印象。
人の心にづかづかと土足で入ってくる厚かましい奴。
あんな奴とはこれ以上関わりたくない。
そう思っていたはずなのだ。
そう、今までは。
+++出会いは始まり+++
今日は空が青く広がり、快晴だ。
ここはアメリカのとある街。
俺は今、道行く人々に『パッチ村』について尋ねている。
シャーマンファイトの第一試練。
三か月以内にパッチ村に着くこと。
簡単そうには聞こえるが、そう簡単にいかない所が試練だ。
今の所パッチ村の情報は一切なし。
より多く情報収集をするために今は各自で行動をし、情報を集めているところだ。
(くそっ・・・)
数え切れない程の人に声をかけてみたが、一つも情報が掴めない。
じれったさから苛立ちが起きてくる。
「なっかなか情報つかめねえなあー」
俺の横に並んで歩いていたホロホロが口を開く。
「・・・そんなこといっている暇があるなら聞き込みをしろ」
俺は冷たく言い放ちさっさと歩いていく。
ホロホロとの距離が開く。
「ちょ、待てよー!」
開いていた距離がホロホロによって詰められた。
何故、こいつが俺と行動を共にしているのか。
それは、数十分前。
たまたま情報を集めるために入った喫茶店で、コイツとバッタリ会ってしまったことからこの事態に繋がった。
俺は見て見ぬフリをし、その場から立ち去ろうとした。
が、
『あ、蓮』
声を掛けられてしまった。
そして、完全に立ち去るタイミングを逃してしまったのだ。
そのため、今俺はコイツと共に行動しているというわけだ。
俺にとってこの状況は、とてつもなく不味い状況だった。
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