てきすとS
□闇の放課後
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「待った。」
カチャ
何かの音がした。
誰かがどこかの教室のドアでも開けたのだろうか。
二階堂は俺が帰らないようように俺の腕をつかんで離さなかった。
「もう暗いし、危ないから。」
「でもそうやって俺が先生待ってたら余計遅くなるんじゃ・・・」
「早く済ませてくるよ。」
そういって職員室へ向かって走っていった。
・・・チャンス。
今逃げれば、二階堂に捕まることはない。
そう思い、出口の方へ歩こうとした。
・・・俺は動けなかった。
さっきの音はドアの音なんかじゃなかった。
二階堂は俺の腕に手錠をつけて、ドアのところにつないである。
・・・抜けねぇ。
完全に捕まった状態になってしまった。
「普通教師がこんなことしていいのかよ・・・」
俺はどうしようもなく、その場に座り込んだ。