てきすとS

□闇の放課後
2ページ/9ページ

「待った。」

カチャ


何かの音がした。
誰かがどこかの教室のドアでも開けたのだろうか。


二階堂は俺が帰らないようように俺の腕をつかんで離さなかった。

「もう暗いし、危ないから。」

「でもそうやって俺が先生待ってたら余計遅くなるんじゃ・・・」

「早く済ませてくるよ。」


そういって職員室へ向かって走っていった。


・・・チャンス。

今逃げれば、二階堂に捕まることはない。


そう思い、出口の方へ歩こうとした。


・・・俺は動けなかった。


さっきの音はドアの音なんかじゃなかった。

二階堂は俺の腕に手錠をつけて、ドアのところにつないである。


・・・抜けねぇ。



完全に捕まった状態になってしまった。

「普通教師がこんなことしていいのかよ・・・」

俺はどうしようもなく、その場に座り込んだ。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ