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□一瞬一瞬が運命の分岐点
僕と土方君は『となりのペドロ』という映画を見ることにした。
始まって5分もたたないうちに土方君の目から涙があふれてきた。
正直なんで泣いているのかわからない。泣くような内容ではない。
それなのにグスグスと鼻をならして大泣きしだしたのだ。
前の人、さっきからうるさいんですけど〜。
後ろの人にそう言われて振り返ると銀時君がいた。
まずい。
仲の悪い二人がこんなところで鉢合わせとは。
僕の心配通り二人は喧嘩を始めてしまった。
他の客をも巻き込んで大乱闘。
その中で僕一人が冷めていた。
銀時君と子供のような喧嘩を続ける彼を見て僕の愛情はすっかり冷めてしまったのだ。
さようなら、土方君。
僕は一人映画館を後にした。
おしまい。
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