アマリリス
□第8章 桜舞い散るその前に
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まずは、先程ニュースで見た中学校へとシオンは足を向けた
事件から時間が経っていない方が手掛かりは掴みやすい
中学校は警察官に囲まれ、入り口はテープで塞がれていた
映画やドラマでよく見るアレだ
「んー…入るのは無理そうですね。」
探偵の助手とは言え、警察が簡単に通してくれるとは思えない
一応ぐるっと外周を回ってみたが、警察の目を盗んで入るにしても、野次馬が多すぎるため、断念
―仕方ないですね、後回しです―
ため息を吐きながら、シオンは踵を返した
―綺麗な桜が見れただけでよしとしますか―
次は第2の現場であるプールを調べに行こうとし、ふと足が止まる
「…?」
―今、誰かに見られてた?―
視線は感じたものの、相手の特定はできない
気のせいだろう、と割り切ってその場を後にした
*-*-*
歩くこと30分
目的地が見えてきた
第2の昏睡事件の現場である屋内プール
中学校と同じように封鎖されてはいるが、幸い野次馬は全て中学校の方に行ってしまったようだ
相手が警官だけなら事は容易い
―ごめんなさい―
心の中で謝罪して、シオンは屋内プールに侵入した