アマリリス
□第6章 双極の翼【白】
1ページ/23ページ
【接続プロローグ】
「それは…龍也の家族を奪った力だ。」
*-*-*
体から発される熱気は、周囲を巻き込み人が生きられる温度を超えた
龍也は、自らの体から立ち上る熱気を押さえる事が出来ずに家族が熱に苦しんでいる様子を呆然と眺めて居るしかなかった
「熱い…熱いよ、お兄ちゃん。」
喉が熱にやられ、声が掠れて涙すら蒸発した妹、ユウ
「ぐ…」
苦悶の声を上げて、絶命する父、トウマ
自分が家族を苦しめている
自分が家族を殺した
龍也は正気を失ったわけではない
ただ、知らなかったのだ
自らの体から湧き上がる熱を押さえる手段を
「あ…あ…」
龍也の周囲が100℃ に達したとき、半径100メートル以内に龍也以外、生きた人間は居なかった
「あまりに強大だ…。お前に力の使い方を、教えてやろう。」
ただ1つ、シュウという怪物を除いて
━双極の翼【白】━