アマリリス

□第1章 火炎魔法陣
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―午後5時―

カランコロン


事務所のドアを開ける音が響く

「ようやく来たか。その遅刻癖、直した方がいいぞ、シオン。」

デスクに座っている女性―浅霧ライカ―は資料から目を離さずに言う

ここは探偵事務所
事務所とは言っても、人員は今のところ2人
名前は《アマリリス》

「堅いこと言わないでくださいよ、ライカさん。私だって一応大学生です。講義だってあるんですよ。」

シオンは鞄をソファーに置きながら応える

「全く…お前は大切な従業員なんだ。お前が来ないと仕事は始まらん。」
「なら、求人募集でもすればいいじゃないですか。」
「私は強い奴しか雇わない主義なんだ。」

ライカはそう言うと、パタンと資料を閉じ、立ち上がった

「どうしたんですか?」
「今日はお前の誕生日だ。仕事は早く切り上げて、旨いもんでも食べに行こうと思ってな。」

ライカの言葉にシオンはクエスチョンマークを3つほど浮かべ、首を傾げる

「今日…12月ですよね?私、誕生日3月ですよ?」

その言葉にライカはため息をつきながら返した

「今日は12月20日。1年前、お前が目を覚ました日だよ。」
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