銀色狐之本棚
□ギン×イヅル 短編
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金箋花
(ギン単品)
「死ぬんわ、怖い」
独特なイントネーション。
「わかっとるやろ?」
聞きようによっては幼さを感じる、落ち着いた声。
「せやのに、そないなコト、したらあかん」
ほんの少しの暗闇を帯びて、宥め諭すように声が降る。
「成仏、できひんかったんやろ?」
人の言葉が通じないはずの化け物が、唸るのをやめた。
ごく自然な動きで彼は刀を抜き放つ。
「自分が悪いんやで」
刀と呼べるのかも怪しい彼の半身は、彼の声に答え、化け物の胸を貫いた。
「苦しかったな…」
気がつくと、刀は再び元の長さへ。
化け物の姿は、幻のように消え去っていた。
「ほな、さいなら」
刀身の血を懐紙で拭い、光を取り戻した刃を見、満足げに口端を吊り上げたのを最後に彼の姿もまた、闇に溶けるように消えていった。
朝日が昇り、2つの影があった場所には、小さな墓標と、赤黒い何かが染み込んだ懐紙だけがひっそりと残っていた。
墓標には、金箋花が一輪。
墓参りには似つかわしくない花が、その墓標にはよく似合っているのであった。
ある日の、化け物と狐の会合。
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(09.05.18 初)
暗い!
意味わからんし!!
いや…
単行本買ったら、イヅルちゃんが戦いについてどす黒く語ってたからさ…(いい汗
金箋花は三番隊の隊花!
ぴったり!←
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