メルヘンの世界
□異世界少年
1ページ/14ページ
始まりは何時も唐突で。
知らぬ所から、じわりじわりと浸食を始めている。
〜 Wonderworld in boy 〜
コポコポ…
コポリ、コポリ…
音を立てながら上がるは、生命が必要な気泡。
ゆら、ゆら…
ゆらゆら…
漂うは、水に溶けてしまいそうな薄水色の長い髪。
トクリッ…、トクリッ…
トクリ…、トクリ…
刻むは、生命の証の音。
白い肌は雪のように、死人のように、魚の腑のように、羽のように透き通り。
まだ何色かも分からぬ双方は、堅く堅く瞼に閉じられ色を隠し。
気泡を放つ桜色の唇は、言葉を紡がず未だ気泡以外は放たない。
長い眠りは、年月を越え。
新たな目覚めを促す。
目覚めの時は、後少し…。
.