紅華の唄
□彼岸花
1ページ/1ページ
「紅い華…。」
ポツリと、私が目の前に咲いている彼岸花を見て呟いた…。
彼岸花はまるで咲き誇る炎のように…、咲き誇る血のように咲いている。
辺りは夕暮れ。太陽がもっとも赤く真紅に燃える時…。
私の周りも紅一色。 全てが真紅に燃えている。 足に溜まり滴り落ちるは人間の紅。 まるで、彼岸花と同じ色…。
「紅い華…。」
今度は、私の足元を見て呟いた。 紅く、赤く咲いている。 人間の華。
そして華を見て想う。
人間も、生きている時はこれほど綺麗に咲ければいいのに…。と。
紅い華はやがて黒くなり、枯れていった。
人間が咲かした彼岸花。
.