りんごあめ

□然して、その実体は
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ギシ、とベッドが軋んで身体がシーツに沈む。私に覆い被さっている彼がするりとニット帽を取った。

何をしても様になる人だけど、この仕草が一番好きだ。
彼の秘密を見ているようで、これから起こる事を予感させるようで、すごくドキドキする。

何気なく髪に触れてみると


「今日は積極的だな」


と彼は笑った。

首筋をふわふわとした感触が擽る。
世を騒がす怪盗山猫。その正体が実は
猫っ毛とは違う、でも柔らかい癖毛なのを、知っているのは私だけ。


「何か良い事でもあったのか?」


小さく笑いを漏らした私にそう問いかける


今からあるんでしょうと答えれば、可愛い事言ってくれると返ってきた。

ギシギシとベッドが一際大きな音を立てた。






















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