りんごあめ

□だうぞ御元気で
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あの人がすごく好きだった


鮮やかなその色に魅入られたのか
ツンと苦く、でも微かに甘い馨に酔ったのか

自分でも不思議なくらいに夢中で後を追いかけた





時々撫でてくれる冷たい手はひどく優しくて

でも、なぜだろう




「どうしたものか…」



彼はいつも困ったような顔をしていた




私がいるからいけないの?


それなら、私がすることは一つだけ
貴方の元を離れることだけ





どうせもう会えなくなるなら、
せめてこの気持ちだけは旅の供に置いていこう




大好きよ





「ようやく、自分の行く処を見つけたか」








「ニャー」






さようなら、愛しい人間 (ヒト)

















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