りんごあめ
□目には目を、耽美には華美を
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「君は美しいからね。愛してあげても良いよ」
それはあまりにも突然の告白
そのうえ随分と上からの物言いに
一瞬言葉に詰まって、それからプッと吹き出してしまった
「ちょっと、なんで笑うんだい!」
慌てて謝ると
まったく人がせっかく…とご立腹の様子
「本当にごめんなさい、でもあんまり綾瀬川さんらしい言い方だったから」
「当たり前でしょ、僕が言ってるんだから」
「そうですね」
貴方らしくて、とっても好き…
そう言ったら、
「何それ、僕を好きって事で良いんだよね?」
と、また彼の機嫌を損ねてしまった
どうにも私は好きな人のご機嫌をとるのが得意ではないらしい
それでも、
「はい」
ちょっと照れながら答えたら
ようやく笑ってくれた
「美しいものには美しいものの隣こそ相応しいからね」
そよ風が、藤の花を揺らして過ぎる
終