短編SS
□ただひとつ『愛』
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「ご主人様?」
「あ…あぁ。」
ふいに呼ばれてルルーシュは顔を上げた。
声をかけたのはずっと傍にいると誓った少女。
しかしその雰囲気はいつもの高貴なそれではなく…。
「ご気分でも悪いのですか…?」
従順で幼い性格、まったくの別人であった。
「だが…。」
この子もお前なんだろ?…C.C.。
心配そうにルルーシュの傍で膝をつく少女を強引に抱き寄せた。
「ご…ご主人?」
びくりと少女の身体が揺れる。
「C.C.…忘れる事だけうまくなるな。」
「あ…あのッ…?」
戸惑う少女をルルーシュは更に抱き寄せるとぎゅっと力を込めて腕に閉じ込める。
「もう…傷つくな…それを俺に隠すな…。」
少女は戸惑いながらもルルーシュの背中に腕をまわす。
「……はい、私はご主人様の傍に…。」
失ってからその大切さに気づく。
いや…まだ失ってなどいない。
静かに俺の心に光が灯る。
ただひとつそれを愛と呼ぶなら俺は…C.C.、お前を離しはしない。
『契約に隠した想い』
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お気に入りの歌詞からちょいちょい台詞をかりてみました。
ルルーシュと記憶喪失C.C.