小説

□23話妄想
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*side ルルーシュ*

背中にC.C.のぬくもりを感じる。
同じように右手にも彼女のぬくもりを感じた・・・。

俺はもう・・・逃げるわけにはいかない。

その決意をC.C.は静かな、それでも優しい声で「そうだな。」と答えた。



―――――― 聞こえるのは彼女の吐息だけ。



しばらくそうしていると合わさった手をぎゅっと握ってきた。

俺は振り向くとその手を返してゆっくりと引き、自分の胸に彼女を収める。
自然と腕に力がはいった。
C.C.は驚く事も拒否する事もなく俺に抱かれている。

誘われるようにライトグリーンの髪を指で弄る。

「くすぐったいだろ。」

柔らかな声で言うと彼女は俺の背中に腕を回した。

「C.C.・・・」

いつもの名前を呼んでキスを落とし、そのままベットへ倒した。

唇をはなすと自然に目が合う。

「ルルーシュ・・・」

ふわりと笑ってもう一度キスをせがまれた。

こいつは俺との契約・・・願いは死ぬ事だと言った。
だけど俺は知っている。本当の願いは・・・愛される事。

――俺が笑わせてやる――

それは、自分のエゴなのかもしれない・・・。

お前の本当の願いは愛される事、だから死ぬなんて言うな、と。
そう俺が都合のいいように解釈しただけだ。
悠久の時をたった独りで生き続け、それでもまだ生きろという俺は酷い男なのだろう。
だけど・・・今のコイツがどう思っていても俺はそれを納得する事はできなんだよC.C.。

俺にはお前が必要だ




*side C.C.*

背中にルルーシュのぬくもりを感じる。
同じ温もりをもっと感じたくて左手をそっと重ねた。

「俺はもう・・・逃げるわけにはいかない。」

そう決意をルルーシュは静かな、それでも揺るがない声で言った。

「そうだな・・・。」

彼の背中に全部の体重を預け、呼吸をひとつしてから私は答えた。
お前がどんな答えを出しても、私の答えは変わらない。
私だけは一緒にいると約束したからな・・・。

ふっと笑みがこぼれる。

共犯者・・・この言葉でくくれる様な感情ではないな。


―――――― 聞こえるのはルルーシュの吐息だけ。


しばらくそうしていたが、合わさった手をぎゅっと握る。
それが合図のように、ルルーシュは手を握り返しこちらを向いた。
そして同時にゆっくり腕を引かれる。
自然と彼の胸に頭を預けると、少し痛いくらい抱きしめられた。
暖かい・・・なぜか涙があふれそうになる。
涙をどうやって堪え様か・・・そう考えていると髪の間に指が差し込まれる。
すいたり、そうかと思うと撫でられる。

「くすぐったいだろ。」

思わず笑みがこぼれてしまった。
お前だけ触れるのはずるいぞ・・・心の中で呟くとルルーシュの背中に腕を回す。

「C.C.・・・」

いつもの名前を呼ばれてキスをされる。それと並行して後ろへ倒された。
唇をはなすと自然に目が合う。

「ルルーシュ・・・」

誘ったのは私だ。今の私はどんな顔をしているのだろうか。
こんな気持ち・・・久しぶりだな・・・。
ルルーシュは揺るぎない瞳のまま、私をみつめている。
それが耐えられなくなり、もう一度キスをせがんだ。

あの時、シャルルを拒否した私――。
自分でも不思議だった。
だけどもう、気づいてしまったんだよ・・・今の私には、誰よりもルルーシュ・・・お前が大事だと。

――契約を結ぼう――

最初、お前を利用する為だけに近づいた。
利用して、全てわかっていたのにお前を悲しみの底へ堕としたのは私だ―。
それでもまだ・・・もう暫くはお前の傍にいたいなんて、
ズルイ女だな私は。
お前は私を恨んでいるだろうか?
たとえそうであったとしても・・・少しだけでいいからお前の傍にいる事を許して欲しい。

誰かを愛しいと感じたのは久しぶりだよルルーシュ・・・
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