小説2
□魔王3
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「…死にたくなければそこを退け。」
ルルーシュは静かに呟いた。
紫水晶色の瞳が静かに怒りを表している。
その光は人を殺せるのではないかと思えるほど凶悪な光だ。
少年はルルーシュに気圧される形で今は大人しくしているC.C.の上からそろりと降りた。
「約束が違うんじゃないか?」
ルルーシュはバサリとC.C.に毛布を掛けると少年を睨み付ける。
「何の事…?」
少年はルルーシュから目をそらして答える。
「ふん。主人を庇うか。その価値がある男か…それとも。」
ルルーシュは少し考え込む仕草をするとニヤリと笑った。
「おい、C.C.…コイツをこの部屋に閉じ込めておけ。」
「はぁ?強姦魔と一緒にいろだと?お前私を何だと思ってるんだ。」
思いがけないルルーシュの言葉にC.C.も声をあげて拒否するがルルーシュは先ほどとは違い涼しい顔でもう一度少年に視線を合わせる。
「大丈夫だ。後でそれなりに牽制しておく。
それにわかっているだろ?今度コイツに手を出したらそのときは…お前のこの世で一番大事な物を壊してやる。」
そう言ってニコリと笑った。
少年はルルーシュの笑顔の瞳の奥に真っ暗な闇を感じてぞくりと体を震わせる。
この目は本気であると。
「まったくお前は…それで?私はどうすればいいんだ?」
悪い顔をしたルルーシュを目にしてC.C.は呆れたように言葉を吐いた。
どうせまたこの男の事だ。
何か悪事でも企んでいるのだろうと考えて問いかけたのだ。
「合図をするまでとにかく外へはでるな。」
「わかったよ」
「さて…それじゃぁ俺は戻るとするか…」
「おいまてルルーシュ!」
きびすを返し部屋を出て行こうとするルルーシュを見てC.C.は慌てて呼び止めた。
「なんだ?」
「この縄を解いていけ……」
未だベットへくくり付けられたままのC.C.は若干顔を赤くしながら呟いた。
「なんだ…そういう趣味かと思ったぞ?」
C.C.とは対照的にルルーシュは楽しそうに笑うと再びベットへ足を戻しC.C.の上に被さると手首の縄を器用に解き始めた。
「お前…わかってやっているだろ…」
「何の事だ。」
しらをきるルルーシュを睨みながら
やっと自由に動くようになった両手を使ってC.C.は身体を起こそうと上体を上げるが再びルルーシュに頭から押さえつけられてしまう。
「ちょ…なにッ…!」
それに非難の声を上げるが押し付けられるように唇を重ねられ言葉はそこで途切れてしまう。
「ん…んぅ…ッふぁッ何するんだ馬鹿!!」
突然少年の目の前で熱いキスを贈られC.C.の頬は朱色に染まった。