「ぺしぺし、起きろー」 「ん、んー…叩かないでよ」 今日の朝は、特別眠たかった。(つまり、魔法薬学のレポート課題を出されたんだ!)それはもう、必要最低限の朝ご飯を胃袋に掻き込んだら、机に突っ伏してしまうくらい。どうしてこんな日に限って授業が朝からあるんだよ、もう。 「ハナコはなんでそんなに元気なのさ…」 「ルーピン君はなんでそんなに眠そうなのさ!」 「…whyをwhyで返さない」 「いたいっ!」 手にしていたスプーンに弾みをつけて、ハナコのおでこにコツンと当てる。あ、パイの食べかすがついた。 「レポートやってたからだよ、薬学の。今日提出でしょ?」 「……………あ」 「そう言うと思った」 「あ、あ、あ」 「残念だね。何回目?」 「ル、ルーピ」 「貸さないよ」 「うぇ、否定が速い…」 「貸してと言うと思ったからね」 んー、なんだか目が覚めたかも。一限は…げ、魔法史。あーもう、ハナコ、横で非道だ鬼畜だうるさい。 「ハナコ、うるさい」 「また怒られる!」 「やって来ないのが悪いんだよ。ホラ、一限に内職すれば?」 「…まほうし」 「ん、頑張れば出来る」 「何センチ?」 「50」 「…頑張ればでき、ない」 「出来る」 「できない」 「出来る」 「…できる?」 「出来る」 「ルーピン君、教えてくれる?」 「出来る………って、あ!」 「できそうだ!」 寝不足、ダメ、ゼッタイ。 end. 20100416 ーーーーーーーーー 甘くなくてもいいんだ。こういうのだって、憧れるんだ。 |